内容紹介
学部学生を対象に、解析力学独特の考え方の導入部に神経を使ったつもりである。最小作用を考える動機と起源など初学者が疑問に思うことを、実際に受講した東工大の学生から受けた質問を元に取り上げた。その一方で、類書にないトピックも取り上げた。例えば、摩擦のある系、ラグランジュの未定係数法の正当化と抗力などである。最後は、量子力学による最小作用の原理の正当化で締めくくった。
ダウンロード(オープンアクセス)・購入
初版 2020年1月1日 発行
製本版はこちらでお買い求め戴けます。(書籍版 ISBN 978-4-909624031)
発売はAmazon・楽天ブックス・三省堂書店のみとなっております。一般の書店ではお買い求めいただけません。
本書籍はCC BY 4.0で公開しており、PDF版はご自由にダウンロードいただけます。
目次
- はじめに
- 第1章 解析力学の考え方
- 第2章 フェルマーの原理
- 第3章 最小作用の原理
- §3.1 一般化座標
- §3.2 最小作用の原理
- §3.3 高階微分を含む場合
- §3.4 測地線の方程式
- §3.5 自由粒子の運動
- §3.6 保存力場中の粒子の運動
- §3.7 系の合成
- 第4章 拘束条件のある系
- §4.1 ラグランジュの未定係数法
- §4.2 ラグランジュの未定係数法の正当化
- §4.3 撃力
- §4.4 ダランベール・ラグランジュの原理
- 第5章 電磁場中の荷電粒子の運動
- §5.1 電磁場中の相対論的荷電粒子の運動
- 第6章 時間的に変化する外力と摩擦のある場合の質点の運動
- 第7章 質点系の力学
- §7.1 重心系、換算質量
- §7.2 重心系、換算質量—ラグランジャン
- §7.3 重心—一般の場合
- §7.4 微小振動
- §7.5 基準振動—CO₂の例
- §7.6 基準振動—一般の場合
- §7.7 強制振動と固有関数
- §7.8 強制振動の方程式の解き方
- 第8章 対称性と保存則
- §8.1 エネルギー保存則
- 第9章 運動量保存則
- 第10章 角運動量保存則
- 第11章 不変変分論
- 第12章 ゲージ不変性
- 第13章 力学的相似
- 第14章 運動方程式の解き方
- §14.1 1次元の運動
- §14.2 中心力場中の運動
- §14.3 惑星の運動
- 第15章 特殊相対性理論
- §15.1 光速不変の原理からローレンツ変換を導くこと
- §15.2 ローレンツ変換にたいして不変な作用—自由粒子
- §15.3 相対論的荷電粒子の運動
- §15.4 相対論的運動学
- 第16章 正準形式
- §16.1 実現される作用
- 第17章 モーペルティユイの原理
- 第18章 正準変換
- §18.1 点変換
- §18.2 正準変換の一般論
- 第19章 ポアッソン括弧式
- §19.1 変換の生成子
- §19.2 変換群
- §19.3 ポアッソン括弧式と正準変換
- §19.4 時間発展を正準変換の特殊な場合とみること
- 第20章 リウヴィユの定理
- §20.1 ポアンカレの再帰定理
- 第21章 ハミルトン・ヤコビの方程式
- §21.1 ハミルトン・ヤコビの方程式の完全解から、運動方程式の解を求めるやり方
- §21.2 変数分離の方法
- 第22章 断熱不変量
- §22.1 簡単な系の断熱不変量
- §22.2 断熱不変量の一般的な形
- §22.3 ゆっくりと変化する磁場中の荷電粒子の運動における断熱不変量
- §22.4 断熱不変量と前期量子論
- 第23章 断熱不変量と角変数
- §23.1 縮退
- 第24章 解析力学と量子力学
- §24.1 正準量子化
- §24.2 最小作用の原理はどこから来るのか?
- 初出索引
著者プロフィール
細谷 曉夫(ほそや あきお)
東京工業大学大学院名誉教授。理学博士。大阪大学助手、助教授、広島大学教授などを経る。主な研究分野は、相対論、宇宙論、量子力学の基礎、および量子情報。主な著作に「量子コンピュータの基礎」(サイエンス社)と「物理の基礎的13の法則」(丸善)がある。趣味は詩を書き絵を描くこと。猫好き。
著者webサイト:https://akiobongo.wordpress.com/
ライセンス
この書籍はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際 ライセンスの下で提供しています。